キャロットタワーで愛を叫ぶ

30代独身女の自伝です。三茶には住んでません。

東京六景

都営浅草線はいい電車だった。

いろんな電車と接続しているので、羽田や成田はもちろん

新橋、五反田、京急高砂へのアクセスも快適。

せんべろ好きにはたまらない路線である。

一番好きな東京メトロは銀座線だが、一番好きな都営線浅草線だ。

たまらん。

 

東京の最後の1年、私は浅草線沿いの本所吾妻橋というマイナーな駅に住んでいた。

駅自体はマイナーだが、浅草と押上に挟まれた場所で

浅草寺スカイツリー高砂部屋も徒歩圏内。

スカイツリーに至っては近すぎるため、コンセントを差し込むだけでテレビが映った。

まいばすけっと以外のスーパーが近くにないのが不便なくらいで

割と居心地はよかった。

人生初のオートロック付きマンションで、

狭かったが、ここまできた!と、万年薄給OLの私には達成感があった。

 

 

本所吾妻橋は、私が上京してから計6か所目の居住地であった。

 

武蔵境

相模大野

梅が丘(ここで初の23区民となる)

三軒茶屋

武蔵小山

本所吾妻橋

 

引っ越し魔だったので、3年以上同じ場所に住んだことはない。

 

「男が変わると居住地が変わる」

「今どこに住んでんの?」

「まだ三茶にいんの?」

・・とよく友達に言われた。

 

おおむねその通りであった。親はさぞかし心配・・したのかな?わからない。

私自身、今はここにいるが来年はどうなっているかしら。と常に思っていた。

根無し草。

 

そしてこのブログのタイトルを見てもおわかりの通り、

私は三茶という街が好きだった。

三茶自体もだし、下北沢や渋谷まで徒歩で行けて、

メトロに乗れば表参道もすぐで

なんだか急に自分がアーバンな女になった気がしたのだ。

三茶で一人飲みすることも多く、まわりの人が話しかけてきてくれ、

職業はことごとく、カタカナ。

なんかのディレクターとか、なんかのデザイナーとか、

ハイパーメディアクリエイターとか、

はたまた劇団員とか。

しがない事務員であった私は肩身が狭かった。

 

ブログタイトルに話を戻す。

キャロットタワーというのは、三軒茶屋駅側にそびえる割とでっかいビルで

なんとなくオレンジ色なのでキャロットタワーと名付けられた(多分)。

中にはオフィスだけでなく、TSUTAYA、カルディ、東急ストア等入っており

三茶民にとって、西友の次に重宝する場所である(多分)。

 

三茶では出会い系好き暴力彼氏と同棲していたので、

2,3回命の危機を感じてお巡りさんに助けてもらった。

そのため、三茶から離れて数年たっても茶沢通りを歩くたび、

 

「ここ、夜中にはだしで交番までいったなぁ・・」

 

と思い出が蘇る。

なかなかアバンギャルドに生きていた。

毎日、生きるか死ぬか、ぎりぎりの綱渡りをしていた。

よく頑張った。

 

 

・・・

ここまでとりとめもなく書いてきてようやく本題なのだが、

なぜこんなにも東京への未練が丸出しなのか。

 

先ほどシャワーを浴びていたらふと、

 

「このまま何もかも捨ててもう一度東京で暮らしたい。

とはいえ、仕事はどうにかなるだろうが、

結婚できるかわからないし、

てか多分無理な気がするし、

最終的に墨田川の河川敷でのたれ死ぬとしても

なんかそのほうが私の人生っぽいし、それもアリかな。」

・・・

 

と頭に浮かんできたからである。

私には情ってものがないのでしょうか。

いやいやいや、彼氏はどうすんだよ、と思いなおして、

いや、ナシでしょ。何考えてんだ。

と、ドライヤーで髪を乾かす頃には冷静になっていたが

おそらく私は今とてもストレスがたまっている。

 

もう親がどうのこうの言ってる場合じゃない。

今夜は家を抜け出して彼氏の家に行く。多分。

 

この家はあまりにも窮屈すぎる。

GLAYよろしく、ここではないどこかへ、行きたい。

終わり。

会社を辞めた。

正確には、辞める。辞められるはず。

 

というのも、退職代行業者に依頼をし、

私が会社と直接連絡をとっているわけではないからだ。

 

退職代行会社というものがあるのを知ったのはつい最近だが、

そんなオカネ払うくらいなら、自分で退職申し出るし、へーきへーき!

 

・・・と思ってたけど色々あって、ありすぎて、お世話になってしまった。

 

 

今回の会社が三社目だったが、本当にびっくりするような出来事がたくさんあった。

9月に入社したので3か月も経っていないが濃密な3か月だった。

 

今までの会社は5年くらいは勤めていたし、

辞める時も円満退職だった。

クッキーとか配ってた。

 

なもんで、今回の事態には自分でも割と驚いている。

が、

 

情けないとか

いい年して何やってんだとか

会社への罪悪感とか

迷惑かけて申し訳ないとか

 

そういう感情がまるでない。

 

だって辛くて辛くてこれ以上関わったら心身がもたないと思ったんだもん。

むしろ英断だよ。

 

・・・と本気で思っている。

 

 

メンタル強者や意識高い系の人には理解されないだろうが、

バカボンのパパよろしく、これでいいのだ。

 

 

20代なら、もっと自分を責めていたかもしれない。

でも30代ともなると、良くも悪くも自分のスペックはわかっているので

ある種の諦めがついてきて、今回のような事態に遭遇しても

「だってしょーがないじゃん。人よりメンタル弱く生まれちゃったんだもん。」

と開き直っている有様だ。

 

こういうふてぶてしさや、開き直りができるようになった点については

年をとってよかったなぁとしみじみ感じる。

 

 

 

ツイッターを見ていると20代や新卒の子が、

 

会社嫌だ

辞めたい

お局しね

上司しね

もはや自分がしにたい

 

等と呟いていて心が痛む。

案外やめても大丈夫だよ、と心の中でエールを送っている。

 

すっかりおばさんになっちまった。